漢方とむくみ

私の患者さんの方の中には、むくみを気にされている方が多いです。夕方になると足がむくんできて、靴下の跡が付いたりします。人も植物と同じで、水がないと生きていけませんが、植物に水をやりすぎると根腐れをおこして枯れてしまうように、水のとりすぎもまたむくみをおこす原因となります。

水毒とは?

むくみは、漢方では、水毒の症状の一つで、代謝できない水分が体内や体の表面にたまって起こります。

水毒の症状としては、
1)重だるい(体、手足)
2)むくみ(まぶたや手足、鼻炎やめまいなど)
3)鼻水・痰が多い
4)上半身に比べて下半身が太い

世間では、一日に2リットルとか、水分はこまめにとる、とか言われていますが、漢方的には、水のとりすぎの人が多いです。また、ドロドロ血になったらいけないということで、常に、水を持ち歩いている方もおられますが、実際は、水を飲んだからといって、ドロドロ血がサラサラになるということはありません。

加えて、むくんでいる人は胃腸が弱っている人が多いです。たとえば、湿気で食欲が落ちたり、お腹がスッキリしないとか、下痢したりとかの症状が出ています。

どれくらいの水を飲めばよいのか?

これは、各個人の体質によります。人は、大きく分けて、水がないと生きていけない人と水などほとんどいらない人がいます。

水がないと生きていけない人は、よく汗をかく、代謝がいい、暑がり、よく飲んでよく食べるなどの特徴があります。でも、このような体質の方でも、飲みすぎるとバテたりしてしまいます。

一方、水などほとんどいらない人は、汗はあまりかかない、寒がり、湿気に弱い、おしっこが遠い、水はあまり飲まなくて平気、水をためこむ性質があります。このような体質の方は、キャパを超えてしまうと、水が体の中で、むくんで冷えて、体が重だるくなってしまいます。

解決策としては、とにかく、自分の喉の渇きを信用して、飲みたくなかったら無理をして飲まなくてもいいのだということです。

上手な水分のとり方は?

次のような工夫はいかがでしょうか?

・コップを小さくする
コップが大きいと飲みきりたくて、ついいっぱい飲んでしまう。

・温かいものを飲む(白湯など)
冷たいとガッーと飲んでしまい、のどをすぐに通り越してしまうので潤わない。

・一口含んでコップを置き、ゆっくり唾液と水分を合わせるようにする

喉が渇きを止めるには?

水というよりも、唾液をうまくだすことが大切です。

・よくかんで食べることで唾液を出させる。

・食事中にお茶や水を飲まない。これは、かまずに流し込んでしまうからです。

・料理をするときには、具は大きめに切り、硬めに火を通す。味は薄味でゆっくりかむ。

・唾液が出が悪いなと感じるときは、酢の物を食べたり、梅干しを食後に食べる。

むくみに使用される漢方薬

むくみのタイプによって漢方薬の選択は変わってきます。

脾虚湿滞—>六君子湯

・疲れやすい
・便が軟らかい
・べっとりとした白い舌苔

肺気虚—>防已黄耆湯

・かぜをひきやすい
・よく汗をかく
・食欲不振

腎陽虚—>八味地黄丸

・下半身のむくみが顕著
・冷え症
・尿量が少ない
尿量が非常に少ない場合は—牛車腎気丸

肝鬱気滞—>四逆散

・月経前にむくむ
・いらいらしやすい
・スッキリ排便しない
さらに疲れやすい、吐き気がする場合は、小柴胡湯