竜胆瀉肝湯(りゅうたんしやかんとう)と一貫堂 竜胆瀉肝湯
瀉火、柔肝、清熱・利水の薬物の配合からなる。また、一貫堂には、四物湯の配合があるので調経に働き、月経異常にも利用できる。
〔目標〕比較的体力のある人で,排尿痛,頻尿,帯下などを目標として,急性あるいは慢性の泌尿器・生殖器疾患に用いられる。このときに,混濁尿,血・膿尿などを呈し,時に陰部の掻痒感を伴うことがある。
〔適応〕比鮫的体力があり,下腹部筋肉が緊張する傾向があるものの次の諸症;排尿痛,残尿感,尿の濁り,こしけ
〔病態] 陽明病期、水滞型、実~虚実間証。
尿路と下部消化管を主とした裏熱を帯びた水滞かあり,排尿痛,排尿障害などの症状を呈する。併わせて,心と肝の陽気の病的過剰状態があり,イライラ感,のぼせ感,易怒性,攻撃性などの精神症状を現す。
〔鑑別〕
1)五淋散:病態は近似するが.尿路系の炎症が強い。
2)猪苓湯:熱性の排尿時痛で共通するが,I口渇があり.心と肝の陽気の過剰は伴わ
ない。
3)清心蓮子飲;熱性の排尿障害を共に認めるが,気虚の症状が明らかで,不安・抑
うつなどを伴う。
Contents
細菌性の膀胱炎
軽い方から猪苓湯、五淋散、竜胆瀉肝湯のいずれかを併用します。
竜胆瀉肝湯の過剰になった炎症を抑制する応答
細胞の中のシグナル伝達経路
免疫賦活薬・抗炎症薬としての漢方薬の働きをまとめると、 免疫系に介入していち早く免疫システムを立ちあげ、 炎症の役目が終わったら、 過剰な炎症を素早く鎮め、 荒廃した組織を修復する、というものです。このような作用は、 漢方薬が多成分で、 しかも個々の成分の量がきわめて少ないことによって可能となります。 めまぐるしく変化する炎症プロセスに網をかけて、 個々の炎症反応に介入するには 量よりも数が必要だからです。(*1)
参考文献;
*1 井齋偉矢. 西洋医学が解明した「痛み」が治せる漢方 (集英社新書)
結節性動脈周囲炎
竜胆潟肝湯の抗炎症効果が報告されている。
・松田三千雄ほか:竜胆潟肝湯が奏効した陰股部の慢性膿皮症の一例,日東洋医誌,45:377,1994